代表質問②

 代表質問の内容について少し記載したいと思います。また札幌市議会のホームページでは動画を見ることができます。

①財政問題について

 日本銀行が4月に示した地域経済報告によると、道内の景気動向は横ばいで推移しているとされているものの、公共投資、個人消費などは全国との比較で低めの水準である。このような状況の中で、本市の予算額確保の見通し、また税収向上の対策を質問しました。市長は2011年度の市税収入の見込みについて、道内景気が低迷している中で予算額の2754億円を確保し、収入率も94・8%に達する見通しを示した。 市はこうした状況を見据え、市税収入の確保対策として、滞納段階別に専門の班が担当する「機能分担型滞納整理」の充実強化、コンビニで収納できる税目を従来の軽自動車税に加え、市・道民税及び固定資産税・都市計画税に拡大、納税おしらせセンターで取り扱う対象案件を見直し、初期段階の滞納整理を効率化するなどの取り組みをしてきた。

②まちづくり戦略ビジョンについて

 札幌の将来のまちづくりの方向性を定める「まちづくり戦略ビジョン」については、具体化に向けた検討をスピード感をもって進めるべきとし、今後の施策展開について見解を求めた。 超高齢社会を迎え今後、社会経済情勢が大きく変化することが見込まる。こうした変化を見据え、将来の札幌まちづくり戦略ビジョンは、まちづくりの基本的な指針。策定にあたっては、市民のまちづくりへの参加意識を高める観点から、1000人ワールドカフェ、1万人市民アンケート、市民会議などを実施している。現在、福祉、経済、都市計画などの各分野に精通した学識経験者、公募委員等で構成する審議会を設置。重点戦略などの具体的な検討にあたっては地域コミュニティ部会、経済・雇用部会、都市構造部会を設け、議論を重ねている。上田市長は9月に審議会から答申を受けた後、原案を示すとした上で、地域での見守りや支え合いの推進に向けたまちづくりセンターの機能強化、再生可能エネルギーの利用促進などの課題について具体化を図っていくと答えた。

③自治基本条例の見直しについて

 札幌市自治基本条例の見直しについて市の取り組みを質問しました。 2007年4月に施行された自治基本条例は、市民の権利及び責務、議会、市長の役割・責務などを明確にし、市民自治によるまちづくりを実現することを目的としている。条例では5年を超えない期間で市民意見を聴いた上で見直しなどの措置を講じるとしていることから、学識経験者や公募委員からなる市民自治推進会議が条例の見直しなどに関する6つの提言を今年3月、市長に提出している。提言について、「より市民自治を加速させる重要な事柄を示唆している」とし、提言内容を尊重して市民自治の取り組み強化に向けて生かすよう求めた。市は、「提言を踏まえ全庁一丸で市民自治推進本部が中心になって取り組んでいく」とし、今後は次年度以降の市民推進会議で方向性などを確認しながら作業を進めていく考えを示した。

④環境産業の創出について

 大学や研究機関と連携し環境産業の創出のため、研究成果を事業化に結びつける取り組みを積極的に行うよう提案した。 市は2011年に策定した「札幌市産業振興ビジョン」の重点分野の一つに環境を掲げ、今後成長が見込まれる環境産業を育成し新たな雇用創出につなげていくとしている。市は大学や研究機関、企業などと産学官連携で産業創出の取り組みを進めているものの製造業分野での産学官連携の成果は現れていない。富山市が富山大学と連携し新製品開発に向けて、大学が所有する機器などを低廉な金額で利用できる仕組みや、大学と企業が研究成果をマッチングする工夫を行っている事例を紹介し、環境産業の創出はスピード感を持って取り組むべきとして市に見解を求めた。市は、東日本大震災以降、環境エネルギー分野は、大学が研究成果の実用化のために企業と、また企業は自社技術を活用するために大学とそれぞれ連携する動きがあるとして、札幌発の環境創出事業がこうした動きを財政的に後押しし、実用化に向けた新たな産業を創出していきたいと答えた。

⑤保健師の役割について

 市民の健康を守り、支える保健師の役割は一層高まるとして、今後の保健師の役割と効果的に保健師を活用するための体制整備を充実させるよう提案した。本市は来年度の保健師採用予定数を過去最高の20名程度とし、きめ細かいサービスを図るとしている。こうした市の姿勢を評価した上で今後の保健師の役割についての見解を求めた。これに対し市は、支援を必要とする市民に積極的にアプローチすることや地域との関わりを一層深めていくことが重要との認識を示した。具体的には、家庭や地域に出向き赤ちゃんから高齢者まで様々な相談に応じることや、地域保健活動のコーディネーターとして地域住民と連携しながら健康増進や認知症などの予防活動に推進していくとした。また、まちづくりセンターに保健師が定期的に巡回し、市民相談などを行う仕組みも求められていると指摘し、保健師を効率的に活用するために区役所の態勢整備を充実するよう求めた。

⑥子ども・子育て施策

 急ピッチで保育所整備に取り組んでいる一方で、依然と増加傾向が続く待機児童について、入所希望者の要望実態などを踏まえて、柔軟かつ積極的に対策を進めることが肝要だと指摘した。市は、第3次新まちづくり計画で14年度までに保育所定員を4000人増やすとし、昨年度は1190人分を確保した。だが、就業希望世帯の増加などから今年4月1日現在の待機児童は1389人で、3歳児未満の乳幼児がその7割を占めている。育児休業を終えて職場復帰するにも、年度途中の保育所入所が困難な事例が多いと指摘。そうした現状をしっかり踏まえ、希望する保育サービスを確実に受けることができるよう求めた。これについて市は、「4月を待たずに、年度内開設予定の保育所もあり、柔軟な対応を図っていく」と述べ、また今後の保育所整備でも、既存保育所に対し増改築に関する意向調査を行うなど積極的な対応を約束した。

⑦障がい児の通所サービス

 障がい児の通所サービスは改正児童福祉法等の施行により、障がい種別の区分をなくし年齢に応じた支援サービスが提供できるよう再編された。児童発達支援については、地域の中核的な療育支援施設として、「児童発達支援センター」が設置される。これを受けて市は4つの札幌市立障がい児通園施設を児童発達センターに移行させて、民間施設の支援機能や相談体制の充実を図るとしている。児童発達支援センターが、児童発達支援事業所への指導や研修などをバックアップする仕組みなどをつくり、児童発達支援センターを中核とした障がい児通所サービスの体制整備を早期に構築するよう求めた。これに対し市は、5月に市、児童発達支援センター、相談事業所、関係団体で立ち上げた検討会議で児童発達支援センターの具体的機能や、地域の関係機関との連携の進め方の検討を行い、本年度中に方針を策定すると答えた。

⑧節電対策について

  国内の原子力発電所のすべてが停止し、国は今夏の節電対策を決定。道内でも7%(2010年比)の節電が求められている。これを受け、市は庁舎や地下鉄駅、清掃工場など市有施設で9.7%、緊急対応を含めると13.3%の削減目標を掲げて取り組むとしている。 家庭における節電推進では、LED照明の導入促進や1万人を超える家庭向けキャンペーンの展開などを、全市を挙げて取り組むことも明らかにした。

 また、家庭の電力消費量を20%削減した横浜市のホーム・マネジメント・システムの事例を紹介。住宅内のエネルギー消費状況を監視できる機器の導入促進などを図り、市民が積極的に取り組むことのできる環境整備が必要だと要望した。今夏の電力不足が懸念されていることについて、上田文雄市長は「市民、企業、行政が一体となって節電に取り組む必要がある」と述べ、市役所が積極的な姿勢を示していくことが重要だとの考えを示した。

⑨雪対策について

 雪対策は、パートナーシップ排雪の効率的な進め方やダンプトラックの安定的な確保について市の取り組みをただした。 1992年度から実施されたパートナーシップ排雪は現在、市内の生活道路の6割を超える約2300㎞で利用され、実施町内会も増加している。排雪日は早い雪解けを期待できることから2月中旬を希望する町内会が多く、施工が集中し、06年から市が日程調整を行っている。しかし、日程調整が難航し、半日だけの作業しかできない非効率なケースもある。

 作業時間が短い町内会を集約するなど工夫が必要と指摘し、市に見解を求めた。これに対し市は夏の段階から現状を説明して柔軟な日程調整を行っていく考えを示した。

 さらに、公共工事の縮減や景気低迷の影響、また、東日本大震災の本格復旧のためにダンプトラックを確保することが困難になる状況を指摘し、ダンプトラックを安定的に確保するため実態にあわない現在の積算体系を見直すべきと提案、市は排雪の運搬距離に応じた作業効率に関する調査を行うなど、実態に即した積算に努めるとした。 

 

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